大沢さんの制作する磁器は、器の曲面の美しさが特徴。
磁器を作成する前には必ず図面を起こして曲面を吟味し、決して曖昧に造り始めることはありません。
「器から柔らかさが出るように気を使っている」という言葉通り、親しみのある曲面のラインからは上品さも感じられます。
陶來で制作される器の原料には、九州地方の磁器土を使用。
こってりとした青白さが特徴で、この土を使用することにより、青さの映える密度の濃い質感を感じさせる磁器が生み出されます。
「気に入った器は自然と頻繁に使うようになる。
そういった使い方をして欲しい。」との思いから、使いやすさにこだわった器づくりを行なっています。
大沢さんが代表を務める『てまるプロジェクト』では、“家族みんなで使いたくなる食器”をコンセプトに、老人や障がい者、子供でも使いやすい、ユニバーサルデザイン型の食器制作を行なっています。
持ちやすさ、使いやすさにこだわりながらデザインの美しさや、食器の質感を感じられる作品を作り出し、2010年には『岩手県ひとにやさしいまちづくり表彰』を受賞。2011年にはグッドデザイン賞を受賞しました。
「介護用品にもデザイン性があっても良いのでは」という思いから”美しい介護の器を目指す”という思いは今も変わりません。
そんな大沢さんの夢は、日本の食器を世界に発信していき、国外の人にも磁器を使ってもらうこと。
日本の伝統的な磁器の良さを広めるべく、今日も制作に取り組んでいます。