長内さんは、大学時代に陶芸を学んでいましたが、社会人となったことで焼物から離れた生活を送っていました。その後、子育てが落ち着いた頃を機に陶芸を再開します。
滝沢に工房を構えたのは17年前。現在は山の自然な生活を楽しみながら制作活動を続けています。
『森のメッセンジャー』が誕生したきっかけは、食器を作った時に余った、粘土の切れ端を何かに使えないか考えていたことからだったとのこと。粘土に切れ端を深海の生き物に見たて、目やヒレなど装飾し、口にカードを挟ませてみたことがヒントになり、森の動物達を作ることを思いついたといいます。こうして近くの森に住んでいる動物たちをモチーフに、「うさぎ」「りす」「かたつむり」の3種類を制作。ここから『森のメッセンジャー』が誕生しました。
『森のメッセンジャー』を、作り続けて今年で14年。初めは3種類だった『森のメッセンジャー』も今では40種類以上に。お客様からの要望などを参考にしながら、今でも種類が増え続けています。子供からお年寄りまで幅広い層に人気があり、2008年には10周年のイベントを行ない、注目を集めました。
「『森のメッセンジャー』の多くは、高さ約5cm,幅約3cm程度と手のひらに収まるサイズながら、手間ひまをかけて1つ1つ丁寧に制作されている。
粘土を動物の形を整え、約7時間の素焼きを行った後、うわぐすりや焼き物用の絵の具で丁寧に色付けを。着色が終わったら種類ごとに装飾を施します。道具を持たせることでメッセンジャー達に個性が生まれ愛着が湧いてくるのです。
『森のメッセンジャー』は、同じ種類でもそれぞれ微妙に表情が異なります。目の作り方、カードを挟む口の開き具合、鼻の穴の位置など細かい粘土細工の技術と、窯での焼き加減で、世界に1つしかない『森のメッセンジャー』が誕生します。
こうして生まれた独特のトボけた表情を見ていると、気持ちが癒されて思わず顔がほころんでしまいます。
『森のメッセンジャー』の使い方は様々。伝言用として使うのはもちろん、ご家庭を彩る小物や職場を楽しくするメモ立てとして楽しむことも。ご家族の干支を揃えて飾る方や、プランターや水槽に入れて楽しむお客様もいらっしゃるそうです。大切な方に気持ちを届ける「『森のメッセンジャー』」。ぜひあなただけの使い方を見つけてみて下さい。